Switch用のオーディオミキサを作る話(その1)
はじめに
タイトルの通り,オペアンプを使ってNintendo Switch用のオーディオミキサを作りました.
そもそも何故こんなものを作ったのかを説明するために,まず現状のSwitch周りの配線の様子を次に示します. どうしてこうなったという感じの構成*1ですが,そこはひとまず置いておいて,今回作ったのは図の下部にある赤線で囲ってあるミキサの代わりになるものです.
SwitchにはVC機能が搭載されていないので,通話しながらゲームをプレイしようとすると必然的にゲーム音とVCの音声を混ぜる必要があります.スピーカ出力でプレイする場合は,それぞれの出力を別々のスピーカから出すことで簡単に解決できますが,ヘッドセットでプレイする場合はひと工夫する必要が出てきます.
解決策
この問題の解決には皆それなりに悩んでる*2ようです.
簡単な方法だと
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こんな感じの簡易ミキサを使ったりすることなどが考えられます.簡易ミキサを使う上で注意する必要があるのは,ヘッドセットなどによっては端子が4極になっていたりする場合があるので,そこでさらに分配ケーブルなどが必要になる可能性がある点です.
私は,配線が煩雑になりそうということもあり,この問題の解決にAIR STEREOのミキサ部分を使うことにしました.
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どうやら任天堂?もこの問題を認識しているらしく,HORIからSwitch向けのライセンス製品として販売されているヘッドセットのAIR STEREOには,ゲーム音とVC音声を混ぜられるミキサ*3が付属しています.
わざわざこんな図が添えてある
流石はこの用途専用のミキサなだけあり,目的にピッタリです.配線回りもシンプルになるのでずっとこのミキサを愛用していました*4.
問題点
しかし,使用しているうちにこのミキサには問題があることに気が付きます.それは,上に挙げた簡易ミキサと同じように入力を単純に混ぜているだけなので,それぞれの入力が逆流してしまうということです.
単純に逆流するだけならばそれほど問題は無いのですが,前段の出力インピーダンスが低くてGNDが揺れるのか*5,大きめの音を再生すると何故かそれがマイク入力に混ざってしまうのです.結果として,エコーが発生してしまったり,PCで再生した別の音がマイク入力に混ざってしまったりする現象が発生しました.幸いDiscordには入力感度の調節機能が付いているので,コレを低めに調節することで音が混ざることは避けされますが,あまり下げ過ぎると今度は声を大きくしないと自分の声が相手に届かなくなってしまいます.また,単純な音量調節機能しか付いてないSkypeなどで問題になります.
そこで,代わりになるミキサをオペアンプを使って作ることにしました.
その2へつづく