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メモ的な

Proコンのジャイロを(自分で)修理する

はじめに

皆さん,Splatoonしてますか?
私はよく遊んでますが,ちょっと前までよく一緒にプレイしてた人がみんなスマブラとかポケカとかに流れてしまって悲しいです.
誰かリグマにでも誘ってください.

さて,そんなSplatoonの操作に重要なのがProコンであり,Proコンによる操作の中でも特に重要なのがジャイロ操作です.

先日,Splatoon 2発売当初から使っていたProコンが故障してしまいました.
症状としては,ジャイロ操作の入力と違う動きをしたり,Proコンを静止していても少しずつ左方向にAIMが動き続けたりする感じです.

1年間の保証期間は過ぎているため,修理するにしても有償修理になってしまいそうです. Proコンの参考修理価格を調べたところ,4000円強+送料程度かかってしまいそうです.
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修理の参考価格 Nintendo Switch|サポート情報|Nintendo

せっかくなので,アナログスティックが粉を吹きまくる件や十字キーが誤入力しまくる件などが改善されているのかどうかも気になった*1ので,新しいProコンに買い換えました.

普通ならばここで話は終わりなのですが,残ったジャイロが壊れたProコンをどうするかという問題があります. スマブラなどのジャイロを使わないゲーム用にしてしまうのも良いのですが,せっかくなので自分で修理してみることにしました.

修理を行う際は,自己責任でお願いします.

Proコンのジャイロセンサ

症状からしてジャイロセンサの故障っぽいので,そいつを交換してやれば治りそうです.

そのために,Proコンで使われているのと同様のジャイロセンサを入手する必要があります. とりあえずProコンを開けてジャイロセンサを確認してみます. Proコンの分解方法はググればいっぱい出てくると思うので,適当に調べてください.結構簡単に開きます.

さて,ジャイロセンサというぐらいなので,恐らくProコンの中心あたりに配置されていそうです. 実際に見てみたところ,チップの大きさや基板の配線パターンからして,赤い丸で囲ったチップが怪しそうです.

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チップの刻印を確認してみると,次のような感じでした.

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うーん,これだけだと何の型番なのかよく分かりません.

そこで,Joy-Conに使われているジャイロセンサについて調べてみることにしました. 同じ製品群なので,使われているジャイロセンサも同一のはずです.

調べたところ,Joy-ConにはLSM6DS3という6軸ジャイロセンサが使われているようです.

There are 2 SPI devices on the bus, one 4Mb MX25U4033E flash memory and one LSM6DS3 6-axis MEMS accelerometer and gyroscope.

GitHub - dekuNukem/Nintendo_Switch_Reverse_Engineering: A look at inner workings of Joycon and Nintendo Switch

Amazonで当該の型番を検索し,出てきた商品画像が次の通りです.

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WINGONEER LSM6DS3モジュール6自由度ブレイクアウトIIC/SPI転送デジタルセンサ振動センサ加速度センサ

チップの刻印からして,どうやらビンゴのようです. 微妙に数字が違うのは,ロット番号や通し番号だったりするのでしょう.

必要な部品が分かったので,Aliexpressで注文します.

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送料込みで200円もしません.ちょっと早い便にしたので注文してから2週間ぐらいで届きました. 今回の用途ではチップ単体で十分なのですが,1個単位で売ってるストアが見つからなかったので変換基板に実装済みのやつにしてます.

ジャイロセンサの交換

さて,いよいよProコンのジャイロセンサを新しいものと交換します.

ジャイロセンサはQFNタイプの表面実装部品なので,流石にはんだごてで交換を行うのは難しそうです.

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そこで,どこの誤家庭にもあるこのようなドライヤ*2を使用します.別名ヒートガンとかヒーティングガンとも言うそうです.

今回は,白光のFV-310を使いました.

表面実装部品のような小さな部品に対して使う場合,次のような細いノズルがあると便利です.

チップに向けて熱風を当て,20~30秒程度熱してからピンセットでチップをつかむと,このようにポロっと外れます.

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同じことをProコンに対しても行うのですが,このとき,Proコンのメインボードをちゃんと取り外してから熱風を当てましょう. 私は面倒くさかったのでそのままやったのですが,はんだが溶ける前に周りのプラスチック部品がすごい勢いで溶けていきます*3

最低でもこんな感じでアルミホイルなどでマスキングしてから行った方が良いです.

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取りつける際は,そのままだと風で飛んで行ってしまうので,位置を合わせたうえで上からピンセットなどで軽く押さえて加熱すると良いです.

部品の交換が終わったら,Proコンを元に戻してSwitchの設定から ジャイロセンサーの補正 を行います.
ジャイロセンサがちゃんと交換できていれば,このように補正できるはずです.

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試しうちをしてみると…

ちゃんとジャイロ操作できます!やったね!

修理後のProコンについて

Proコンは特定無線設備にあたるため,今回のように個人で修理した場合技適から外れ,そのまま無線通信をした場合,電波法違反に問われる可能性があります. そのため,有線通信機能を有効にしたうえで常にSwitch本体と有線接続し,無線通信機能を使わないようにしましょう.

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*1:結果として,相変わらず粉を吹きますが十字キーは改善されてました.

*2:ちなみに,このタイプのドライヤで髪を乾かすのは推奨されないそうです.

*3:当たり前だ